トランプ大統領来日!気になる全日程、そしてこれからの日米関係はどうなる?

時事

トランプ大統領来日のあらまし

経緯

アメリカのトランプ大統領が、メラニア夫人を伴い、5月25日から3泊4日の日程で日本を訪問しました。サミットやオリンピックなどの国際的なイベントではなく、一国のみを訪問する期間として比較的長いということで内外の注目を集めました。

トランプ大統領日本滞在の日程は、安倍首相夫妻とのゴルフ、夕食会、大相撲観戦などが目白押しで、天皇皇后両陛下との会見も含まれるという、まさに国を挙げての内容に。そのため、都心は厳戒態勢となり、動員された警察官は2万5000人に及ぶという過去最高レベルのセキュリティが敷かれました。

令和初の国賓

国賓とは、政府が儀礼を尽くして公式に接遇し、天皇皇后両陛下からの歓迎を受ける外国の元首のこと。天皇陛下との会見や宮中晩餐会が催されるなど、まさに国を挙げてのおもてなし。平成から令和になった改元初の国賓ということで、日本がアメリカが国家元首を選んだことに大きな意義が込められていることは間違いないでしょう。

来日の目的

トランプ大統領は国賓として招かれたという立場ですので、ここでは日本側の意図を探る必要があるかもしれません。その意図を見出すため、トランプ大統領滞在中の日程を詳しく見ていきましょう。安倍首相とのゴルフ、大相撲観戦、夕食会、天皇陛下主催の歓迎行事、宮中晩餐会、そして海上自衛隊の空母乗船。

まさにお客様としてのトランプ大統領夫妻をもてなす行事が目白押しだったわけですが、一般的に海外からの首脳を招いた際には、共同声明が発表されるもの。それが今回はありませんでした。もちろん、日米首脳会談はありましたが、その発表は8月になるとのこと。今回の滞在は、日米関係の政治的歩み寄りというより、親密度をアピールする場にしたかったのかもしれません。

それにしても、安倍首相とトランプ大統領は4月末にワシントンで首脳会談を行ったばかりで、6月末には大阪で開かれる20か国・地域(G20)首脳会議もあり、3か月で3回も日米首脳が顔を合わせることになります。これは前例のないことで、世界から注目されるのも無理ありません。

日程

1日目(5月25日)

トランプ大統領夫妻は17時ごろに羽田空港に到着。トランプ大統領は日本の経済人との会合、パレスホテル東京に宿泊。

2日目(5月26日)


千葉県茂原市のゴルフ場「茂原カントリー倶楽部」にて、両首脳がゴルフ。青木功プロも参加しました。安倍明恵夫人とメラニア夫人は台場のデジタルアート系の美術館へ。夕方、大相撲夏場所千秋楽を観戦。その後、六本木の炉端焼き店で夕食を堪能しました。

3日目(5月27日)

午前9時過ぎ、天皇皇后両陛下がトランプ大統領夫妻を皇居で出迎え。天皇陛下、即位後初となる国賓との会見。11時過ぎには、元赤坂の迎賓館で日米首脳会談。14時、北朝鮮による拉致被害者家族と面会。15時、両首脳による共同記者会見では日朝首脳会談などに言及。19時半、天皇皇后両陛下主催の宮中晩餐会に出席。

4日目(5月28日)

午前9時半ごろ、天皇皇后両陛下がパレスホテルに赴きトランプ大統領に別れの挨拶。10時半、安倍首相夫妻と共に、海上自衛隊の横須賀基地で護衛艦「かが」を視察。13時ごろ、羽田空港から帰国の途へ。

トランプ大統領について

概要

ドナルド・ジョン・トランプ。アメリカ・ニューヨーク出身の1946年6月14日生まれ。カジノ・ホテル運営会社トランプ・エンターテイメント・リゾーツを経営する実業家として名を馳せ、不動産王としても知られています。2017年1月20日、第45代アメリカ合衆国大統領に就任しました。

政策

2016年の大統領選挙戦では、「アメリカ第一主義」を掲げ、排外主義のタカ派として国を二分。当選後も、反対派のデモ行進など混乱が続きました。公約の中でも、メキシコとの国境沿いに壁を建設し不法移民を防ぐ、自由貿易協定NAFTAの見直し、TPP離脱、国民皆保険「オバマケア」の縮小、軍事予算を拡大し強いアメリカを取り戻す動きなどは特に波紋を呼びました。

大統領就任後

選挙中、ロシアゲート(ロシアによる選挙干渉を狙ったサイバー攻撃)と呼ばれる疑惑に巻き込まれるも、強気の姿勢を貫くトランプ大統領。ナショナリズムの権化と揶揄されるほどの移民政策を始め、自由貿易を否定する保護主義的な措置、ドイツなどG7各国との亀裂など、アメリカファーストに徹した負の面が目立つようになりました。

それでも、経済は堅調。オバマ前大統領の増税、規制、福祉拡大などを覆したことが経済を健全な回復に導き、税制、エネルギー、規制に関するテコ入れが功を奏したと言われています。また、史上初の米朝首脳会談を実現させたことは記憶に新しいですが、外交的に積極的なのも特徴のひとつ。マスコミを嫌い、Twitterで情報発信することでも知られています。

日米関係について

歴史

日本とアメリカの最初の接触といえば、やはり1853年のペリー来航になると思います。いわゆる黒船が鎖国していた日本に開国を迫ったという出来事です。以後、日露戦争の調停役となるなど、列強同士の関係は続きます。そんな中、満州事変に端を発する緊張関係から、アメリカを中心とする欧米諸国が禁輸措置などで日本を締め上げます。

そして、ついに1941年の真珠湾攻撃により太平洋戦争が勃発。当初破竹の勢いだった日本は次第に劣勢へと追いやられ、アメリカ軍による日本本土空襲、2度の原爆投下を経て、日本はポツダム宣言をのんで降伏しました。

戦後の関係

敗戦後、マッカーサー率いるGHQ(連合国軍最高司令官総司令部)の統治下に入った日本。1951年のサンフランシスコ講和条約で独立を果たしますが、日米安保条約による米軍基地問題、高度経済成長で露呈した日米貿易摩擦、東西冷戦などが発生。バブル崩壊後、中国が新たな脅威となると、集団的自衛権をはじめとする日米軍事同盟関係がクローズアップされるようになりました。

同盟の意義

建前上は、日本国憲法第7条で軍事力を放棄しているのだから、アメリカと安全保障条約を結び、日本はアメリカに基地を提供して守ってもらうというもの。朝鮮戦争を機に、自衛隊が発足しましたが、あくまでも自衛のためなので、アメリカが一方的に防衛義務を負い、日本はアメリカの核の傘の下で、金儲けだけに邁進しているなどと揶揄されてきました。

そうは言っても、日本は「思いやり予算」を計上し、アメリカの駐留経費の70%を負担。また、いつまでもアメリカに頼っているため真の独立を果たしていない、逆にアメリカが日本を自立させないよう国力を制限しようとしているなどという陰謀論まで囁かれる始末。沖縄の人たちは在日米軍基地に苦しんでいるという報道が毎日のようにされています。

そんな中、注目されだしたのが集団的自衛権。ある国が武力攻撃を受けた時、第三国が攻撃された国と協力して共同で防衛できる権利のこと。他国を攻撃できない日本ですが、攻め込まれたら自衛の戦争になるので、個別自衛権は認識されています。しかし、距離的に遠いアメリカが攻撃された場合、どうでしょう。アメリカは日本を防衛する義務があるにも関わらず。

現在のところ、日米関係は良好、つまりは同盟関係も良好ということです。しかしながら、互いのどちらかが攻撃を受けた時に互いがどのように行動するか曖昧な部分が多く、いつか決定的な綻びが生じる可能性があります。対米追従か、日本自立かの選択を迫られる日はそう遠くないかもしれません。

今後の見通し

今回のトランプ大統領来日は、日米両国の親密さを最大限にアピールした形となり、成功だったと思います。令和初の国賓ということで日本国民、ひいては諸外国に対しても、アメリカは日本にとって一番大切にしなければならない国だということを知らしめました。これからも日米関係は安泰でしょう。

その一方で、中国の軍事力拡大、北朝鮮の核ミサイル、韓国の異常なまでの排日行為などで混沌とする東アジア情勢において、日本がどのような影響力を保持し得るかは、やはり、というか残念ながらアメリカの軍事力頼みなのかという印象も持ち得ました。

日本はいまだアメリカに支配され続けているのか、それとも、アメリカからの信頼を勝ち取り、自立への足がかりとして憲法改正へと踏み切るのか。移民問題や消費税増税、所得格差拡大などの問題を抱え続ける日本が、安倍首相在任中にどのように対応していくのか、私たちも国民として注視していかなければならないでしょう。