大阪G20サミット開催!日本はG20ホスト国としての役割を果たせたのか?

時事

大阪G20サミット開催

概要

6月28日と29日、大阪でG20サミットが開催されました。G20サミットとは、メンバー国の首脳、国際機関など37の国や機関が参加し、経済分野を主要議題として毎年開催される国際会議。今回は日本が議長国がとなり、世界経済、貿易・投資、開発、気候・エネルギー、雇用、テロ対策、移民・難民問題が議論されました。

開催地となった大阪は、2025年に万国博覧会の開催が控えていることもあり、巨大イベント開催に耐え得るインフラの充実度を世界にアピールするための絶好の場に。大阪国際見本市会場(インテックス大阪)を会場に、関係国、各機関合わせて約3万人を迎えました。

G20とは

もともと日本、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、カナダの7か国が、G7として財務大臣・中央銀行総裁会議を定期的に開催していました。しかし、国際経済の変化に伴い、1990年に13か国、地域を追加して、現在のG20となりました。

追加になったのはアルゼンチン、韓国、オーストラリア、メキシコ、トルコ、ブラジル、インド、ロシア、インドネシア、サウジアラビア、中国、南アフリカ、EU。G20全体で世界のGDPの9割強,貿易額の8割を占めており、リーマンショック後の経済不況やギリシャをはじめとするユーロ危機への対応などが話し合われる重要な会議となっています。

G20開催に伴う交通規制

6月27日から30日の4日間、大阪府内の高速道路や一般道で大規模な交通規制が実施されました。また、関西国際空港に向かう関西空港連絡橋や関空島内でも交通規制が敷かれたため、高速バスや路線バスでも大規模な運休やルート変更などが行われました。

交通総量50%削減という目標を掲げてマイカーの利用自粛を要請していたようで、迂回路の大渋滞が懸念されていたものの、目立った渋滞は発生しなかったとのことです。事前の告知、また大阪市民の協力があって、一般道は普段より通行車両が極端に少なかったとし、交通規制は解除されました。

有力国との首脳会談

概要

G20期間中ならびにその前後にも、19か国、機関の首脳との会談をこなした安倍首相。短い日程の中で多数の会談が組まれるという過密スケジュールとなったわけですが、そんな中で注目された会談がアメリカ、中国、ロシアでした。また、徴用工訴訟を巡る問題で日韓首脳会談は行われないことも話題になりました。

日米首脳会談

28日午前、トランプ大統領との会談が行われました。安倍首相とトランプ大統領の会談は12回目で、4月の安倍首相訪米、5月のトランプ大統領国賓来日に続き、3か月連続。安倍首相は、「頻繁な日米首脳の往来は強固な日米同盟の証しだ」と述べ、友好的なムードでスタートしました。

イラン近海でのタンカー襲撃事件でトランプ大統領が日米安保条約への不満を表明したことの不安解消、北朝鮮の非核化や日本人拉致問題の解決に対する方針の確認、貿易交渉などについて議論されました。

日中首脳会談

27日夜、大阪市内のホテルで習近平国家主席と会談。習近平国家主席の来日は国家主席就任後初めてのことで、中国国家主席の来日自体、2010年11月以来の約9年ぶりとのこと。そのため、日中関係が正常化したことが強調され、さらなる関係の発展を図ることで一致しました。

会談では、北朝鮮情勢、香港デモ、東シナ海の安定などについて話し合われました。中でも、安倍首相が習近平国家主席に2020年春に国賓として再来日することを求め、習近平国家主席が応じる考えを示したことは注目されました。

日露首脳会談

29日に、プーチン大統領と会談。平和条約交渉を加速させることで一致、北極海での液化天然ガス(LNG)生産事業などの協力拡大でも合意。しかし、北方領土問題での大きな進展はなし。プーチン大統領は北方領土が第二次大戦の結果としてロシア領になったことを認めることを条件としているため、日本の主張に対する姿勢は厳しいままです。

韓国との首脳会談は見送り

いわゆる元徴用工への賠償を命じた判決で文在寅政権が対策を講じなかったため、日本は韓国との首脳会談を見送り。議長国がG20のメンバー国と階段を行わないのは異例の事態。安倍首相と文在寅大統領が顔を合わせたのは、28日の出迎え行事で、簡単な挨拶と握手をしただけ。8秒だったとのことです。

G20大阪サミット閉幕

大阪宣言を採択

G20大阪サミットは29日午後閉幕し、首脳宣言となる「大阪宣言」が採択されました。自由・公平・無差別な貿易、投資を推進することとし、WTO(世界貿易機構)の改革支持を盛り込む一方、保護主義に対抗するといった表現は盛り込まれず。ほか、海洋プラスチックごみゼロなどが呼びかけられました。

二酸化炭素排出量を減らす取り決めであるパリ協定の遵守や、脱退を表明したアメリカの決定の再確認が行われました。さらに、データや情報などの国境を超えた流通は生産性の向上やイノベーション増大をもたらすとして、デジタル経済促進にも言及しました。

米中に一定の歩み寄り

G20大阪サミット期間中に行われた米中首脳会談では、貿易協議を再開することで合意。アメリカが中国のスマートフォンやパソコンなどを含めた製品を課税対象にする3000億ドル分の制裁関税の発動は見送りに。また、華為技術(ファーウェイ)にかけていた禁輸措置を解除し、取引を再開することも発表されました。

今後の見通し


大きな混乱はなく平和裡に終わったG20大阪サミット。もともとG20は何かを決める場ではなく、首脳同士の問題意識の擦り合わせを行うセレモニーのような場。なので、貿易で火花を散らしていたアメリカと中国が歩み寄ったのも予定調和であり、今後トランプ大統領が中国への追加関税を唐突に発動する可能性があります。

また、トランプ大統領が日米安保条約について破棄は考えていないが不公平とし日本との安保改定を迫ってきたり、日本と韓国が絶縁状態にあることを世界に知らしめたシーンもありました。友好的な空気を演出しながらも背後で刃を研ぎ澄ましている気配が見え隠れした会合だったとも言えそうです。